第18回 “魂の俳人”藤枝市村越化石俳句大会の入賞作品が決定しました

表彰式写真

第18回"魂の俳人”藤枝市村越化石俳句大会の入賞作品が決定し、令和4年12月11日(日曜日)、村越化石生誕100年記念式典に合わせて、表彰式を開催しました。

本大会は、魂の俳人と呼ばれ、ハンセン病を患いながらも俳句界に多大な実績を残した村越化石を顕彰する俳句大会です。化石の俳句の世界を理解するとともに、子どもから大人まで俳句に親しみ、楽しんでもらい、俳句文化の振興を図ることを目的に開催しています。

今大会は、市内の小、中学生から全国の一般の部まで、合計3,434句の応募がありました。入賞作品は下記のとおりです。

今後、入賞作品の展示会を以下の日程で巡回展示いたします。ぜひお近くの会場でご覧ください。

 

展示日程・会場

12月 11日

12月25日

藤枝市岡部支所分館 玄関ロビー

1月5日

1月29日

藤枝市郷土博物館・文学館

注:月曜休館・入館料大人200円

中学生以下無料

2月2日

2月12日

藤枝市役所 玄関ホール

  2月14日    2月26日

駅南図書館(BiVi藤枝3階)

注:月曜休館

3月 10日

3月22日

生涯学習センターロビー 

 

村越化石賞(大串 章選)

(小学校の部)山下 蒼馬 <藤枝中央小学校1年>

おにやんまかわのまわりをぱとろーる

【 講評 】

大きなおにやんまが川のまわりをとびまわっている。えさになる昆虫(こんちゅう)をさがしているのだろう。そのありさまを「ぱとろーる」している、といったところがおもしろい。

(一般の部)古賀 勇理央 <愛知県尾張旭市>

読初の「端坐」に父の朱線かな

【 講 評 】

『端坐』は村越化石の第三句集、あとがきに「今年は私の還暦の年、長い療養の身の命あって迎えた還暦である」とある。「父の朱線」はどこに引かれているのか。私はふと「雪水のいのちながらふごと流れ」を思った。村越化石は俳句と共に生き長らえ九十一歳で天寿を全うした。

市長賞(大串 章選)

(中学校の部)石田 あいな <藤枝中学校3年>

つばめの子旅立つ前におしずもう

【 講評 】

「おしずもう」が言い得て妙。燕の子は巣のなかで押し合い圧し合いしながら育つ。親が餌を運んでくると大きな口を開けて争うようにしてせがむ。そんな燕の子にもやがて巣離れの時が来る。

(一般の部)英 龍子 <神奈川県横浜市>

潮の音の緑蔭けふの書斎とす

【 講評 】

「けふの書斎とす」が一句の眼目。波の音が聞こえる海辺の木蔭に椅子を据えて読み耽っている。あるいは、樹陰にハンモックを吊り身を横たえて読書を楽しんでいる。いずれにしても、読書の醍醐味が如実に健やかに伝わってくる。

入選者

(小学生の部)

丹羽 健心(西益津小2年) 「夏休みアサギマダラがたびしてる」

曽原 百合子(高洲小3年) 「ひこうきがにゅうどう雲にさらわれた」

石塚 文人(青島北小6年) 「夕焼けに向かって走る今日は塾」

 

(中学生の部)

大島 壮太(青島中1年) 「夏休みさわりたくない文房具」

小沼 勇斗(附属島田中1年)「テントからもれる灯火笑い声」

山田 乙華(藤枝中2年) 「どこまでもはじけず漂うシャボン玉」

山村 葉琉(葉梨中3年) 「もの干しにせみの脱殻よくかわく」

 

(一般の部)

塚本 治彦(神奈川県茅ケ崎市) 「病棟の院内学級卒業す」

鷲頭 シズ子(千葉県市原市) 「稲の香や乗合ひの着く診療所」

山田 眞二(静岡県浜松市) 「草の実や腰かがめ入る秘密基地」

神戸 良夫(静岡県藤枝市) 「緑蔭に子ら呼ぶ笛や紙芝居」

森 悦子 (石川県白山市) 「西瓜ひとつリュックに入れて母来たる」

山田 泰久(静岡県浜松市) 「鯛一尾入りの新米炊き上る」

杉浦 早苗(神奈川県横浜市) 「黒々と疫病塚や田水沸く」

選者

大串 章氏(俳誌「百鳥」主宰、村越化石氏と同じく大野林火氏に師事、俳人協会会長、NHK学園「俳句春秋」朝日新聞他選者、第四十五回俳人協会賞受賞)

関森 勝夫氏(俳誌「蜻蛉」主宰、村越化石氏と同じく大野林火氏に師事、静岡県立大学名誉教授、俳人協会顧問、俳人協会静岡県支部顧問、国際俳句交流協会評議員、日本文藝家協会会員)

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更新日:2022年12月20日