第21回 “魂の俳人”藤枝市村越化石俳句大会の入賞作品が決定しました

第21回魂の俳人藤枝市村越化石俳句大会表彰式

第21回"魂の俳人”藤枝市村越化石俳句大会の入賞作品が決定し、令和7年11月29日(土曜日)表彰式を開催しました。

本大会は、魂の俳人と呼ばれ、ハンセン病を患いながらも俳句界に多大な実績を残した村越化石を顕彰する俳句大会です。化石の俳句の世界を理解するとともに、俳句に親しみ、楽しんでもらい、俳句文化の振興を図ることを目的に開催しています。

今大会は、市内の小・中学生から、合計3,516句の応募がありました。入賞作品は下記のとおりです。

今後、入賞作品の展示会を以下の日程で開催いたします。ぜひお近くの会場でご覧ください。

 

特別賞受賞句の展示会

展示日程・会場

11月29日

1月27日

藤枝デジタルアートギャラリー
「みんなのアート広場」

1月6日

1月15日

生涯学習センター 展示ロビー

※1月12日(月・祝)休館

1月19日

2月2日

藤枝市役所 玄関ロビー

2月5日

2月13日

藤枝市岡部支所分館 玄関ロビー

※月曜日休館

  2月17日     2月23日 月・祝

駅南図書館(BiVi藤枝3階)

 

村越化石賞

(小学校の部)市川 登理 <青島小学校1年>

あさがおのねじれたつぼみひろがった

【講評】

「咲く」という言葉をつかわず、自分なりの言葉で、アサガオの開花を表現したところがすばらしいです。この句を読んだとき、心がふわっと軽く、明るくなりました。自然のいとなみをこんなにも感動的に書ける作者を、そんけいします。

(中学校の部)荒田 まりあ <青島北中学校1年>

夏の雨銀に光りて天から地

【講評】

晴れていたと思ったのに、いきなり降ってくる夏のにわか雨を詠んだ句でしょう。「夏の雨銀に光りて」までは美しい描写です。ただ、それで終わっていないのは、この作者の才気というべきでしょう。「天から地」で、美しさに、ゆうだいさも加わりました。

市長賞

(小学校の部)大塚 蓮 <西益小学校1年>

なつやすみからくりやしきかべうごく

【講評】

夏休み、作者は忍者やしきに行ったのでしょう。「かべうごく」は、ふつうの家では体験できないこと。いったいどこに通じているのか、ワクワクする気持ちが伝わってきます。夏休みの思い出を、具体的に詠んだのが良かったです。

(中学校の部)小長谷 郁生 <青島北中学校1年>

涼風が行方不明の部活中

【講評】

文化部、運動部、どちらでも成り立つ句です。真夏の部活動、涼しい風がほしいところだけど、一向に吹く気配はありません。そんな気分を「涼風が行方不明」とユーモアたっぷりに表現しました。おどけでもしないと、やっていられないほどの暑さなのでしょう。

教育長賞

(小学校の部)服鳥 陽 <葉梨小学校4年>

ふじとざんくもをたべてもあじしない

【講評】

「雲を食べる」という発想がすてきですね。富士山をのぼっていくと、雲よりも高いところに出ますから、こうした表現にも納得です。「あじしない」と、まじめに感想を言っているところ、くすりと笑えます。

(中学校の部)ザリファ サラ <青島北中学校3年>

夕涼み素足に触れる風の道

【講評】

えんがわから、ぶらりと足を垂らしているところが思い浮かびます。その足が、風の道に触れた、という表現が詩的です。はるかからやってくる風の流れを感じているのです。読むだけで涼しくなれる句ですね。

文化協会会長賞

(小学校の部)小野 楓 <青島小学校6年>

風鈴が山に響くよ白川郷

【講評】

岐阜県にある「白川郷」。五箇山と合掌造りの家々とが成す景観がすばらしく、世界遺産に指定されています。風鈴の音が山に響くといったのが、風土の特徴をよく捉えています。「響くよ」の「よ」に景色への感動がぎゅっとつまっていますね。

(中学校の部)片山 聖悟<広幡中学校3年>

梅雨晴れの太陽のぼる東大寺

【講評】

大仏様が有名な、奈良の東大寺。この句は、梅雨晴れの太陽とともに詠んだことで、堂々とした大仏殿がよく表現できています。大仏や鹿など、だれもが目をひかれるところをあえて詠まず、大空に着目したのが手柄でした。

入選者

(小学生の部)

山下 碧(藤枝中央小6年)           「け上がりのつかむ手のひら汗とまめ」

丹羽 健心 (西益津小5年)          「シャボン玉短い旅に出かけてく」

齋藤 真結子 (青島小5年)          「夏祭りスーパーボールテンコ盛り」

江坂 奏汰 (葉梨小3年)            「花火ドン母のおむすび落としそう」

河原﨑 一耀 (高洲小1年)        「なつやすみないふをつかいひおこしだ」

青島 琴香(高洲小2年)              「ぶどうの木電車で見えた夏休み」

磯部 真宏(大洲小5年)              「日に焼けて手の色いっしょカナヘビと」

平松 杏悠(藤岡小2年)              「夏休みおてらでしゅう字べつせかい」

海野 みのり(青島北小2年)        「赤ちゃんとはじめていっしょに見る花火」

村松 奈都(青島北小5年)           「むしかごにねむるカマキリゆめであう」

 

(中学生の部)

河井 紗帆(青島中3年)               「勉強中蚊取り線香香るなか」

久保田 翼(葉梨中1年)               「ドリブルで風を切る音夏休み」

大畑 弘貴(広幡中1年)               「夏休み川遊びへとつづく道」

堀池 理翔(広幡中1年)              「朝顔や雨を眺める部屋の中」

海老名 朔 (広幡中3年)             「梅雨の時期シカの集い場茶に染まる」

八木 璃音(広幡中3年)              「法隆寺眺めるみなに青葉風」

高橋 慧(岡部中3年)                 「夏空にルートが浮かぶ中三の夏」

鈴木 康介(岡部中3年)              「富士登山人生初の雲の上」

青島 明璃(藤枝明誠中2年)        「黒バナナばぁばの魔法ですてきなケーキ」

村上 漣(藤枝明誠中3年)           「先客がいるけど入るこたつの中」

 

選者

高柳 克弘氏(俳句結社「鷹」編集長。第19回俳句研究賞、第22回俳人協会評論新人賞、第1回田中裕明賞、第46回俳人協会新人賞、第71回小学館児童出版文化賞。2017年度、2022年度Eテレ「NHK俳句」選者。近著に『隠された芭蕉』(慶応義塾大学出版会)。)

 

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更新日:2025年12月02日