蚊が媒介する感染症にご注意ください!

県内で「日本脳炎」患者が確認されました

発熱や意識障害の症状で入院している静岡県西部保健所管内在住の70歳代の女性について、日本脳炎に感染していることが判明しました。直近で静岡県外への移動歴が確認されなかったため、県内で蚊に刺されたことにより感染したと推定されます。

昨年も県内で日本脳炎患者が1例確認されましたが、2024年に入ってからの感染確認は今回が初めてです。

日本脳炎とは

日本脳炎ウイルスにより発生する病気で、蚊を介して感染します。感染しても多くは無症状で終わりますが、発症した場合は、突然の高熱、頭痛、嘔吐などの症状の後に意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こします。

日本脳炎ウイルスに感染した人のうちおよそ1000人に1人が日本脳炎を発症し、発症した方の20~40%が亡くなってしまうといわれています。また、生存者の45~70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれています。

感染経路

ウイルスを保有するブタから吸血した蚊(コガタアカイエカ)がヒトを刺すことで感染します。ヒトからヒトへは感染しません。

静岡県では毎年、感染源であるブタの日本脳炎抗体保有状況を調査しており、令和6年度の調査ではブタ80頭のうち65頭に抗体が認められています。

治療

特異的な根治療法はなく、対症療法を行います。

予防・対策

蚊に刺されないための対策と、予防接種が感染予防の中心となります。特に小児(生後6か月~7歳5か月のお子様 及び 9~12歳のお子様)は定期予防接種の対象となるため、蚊が発生するシーズンまでに、お早めの接種をご検討ください。(定期予防接種についてはこちら

※ 平成16~18年度生まれで20歳未満の方は、特例で4回の接種のうち不足分を定期予防接種として受けられます。

都道府県別のブタの日本脳炎抗体保有状況調査について

日本脳炎の流行を予測するため、厚生労働省と各機関が協力して全国のブタの日本脳炎ウイルス抗体保有状況を調査しており、2024年10月時点では、静岡県内で調査したブタ10頭のうち9頭に日本脳炎ウイルスの抗体保有が確認されました。静岡県は、全国的に見て日本脳炎に感染しているブタの割合が高い地域となります。

調査の最新情報は、国立感染症研究所 感染症疫学センターのページをご覧ください。

蚊媒介感染症について

蚊は、日本脳炎の他にも、デング熱やジカウイルス感染症等のウイルスを保有している恐れがあります。

蚊に刺されただけで過分に心配する必要はありませんが、蚊の活動時期は11月頃まで続きますので、 屋外で活動する場合にはできるだけ肌の露出を少なくし、虫よけ剤を使用して蚊に刺されないようにするなど、感染予防に努めましょう。

主な蚊媒介感染症の一覧

疾患名

媒介蚊
(感染経路)
発生地域

主な症状
(潜伏期間)

備考
デング熱

ヒトスジシマカ など(人→蚊→人)hitosujishimaka

東南アジア、南アジア、中南米、カリブ海諸国

発熱、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛(2~15日)

平成26年に国内感染例発生。
非致死性の熱性疾患であるデング熱と、重症型のデング出血熱やデングショック症候群の2つの病態あり。
日本脳炎 コガタアカイエカ(豚→蚊→人)akaieka 日本、中国、東南アジア、南アジア 発熱、頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、意識障害(6~16日) 感染しても発病するのは100~1,000人に1人程度であり、大多数は無症状に終わるが、発症した場合の死亡率は20~40%となる。
ジカウイルス感染症 ヒトスジシマカ など(人→蚊→人) 中南米、カリブ海諸国、オセアニア太平洋諸国 など 発熱、頭痛、関節痛、斑丘疹、結膜炎、倦怠感 など(2~12日) 平成27年から中南米を中心に流行。国内での感染例は認められていない。

静岡県では、感染症媒介蚊の定点モニタリングを定期的に行っています。詳しくはこちら

それぞれの感染症についての詳細は厚労省ホームページ

蚊媒介感染症の対策

蚊媒介感染症はヒトからヒトへ感染することはなく、病原体を保有する蚊に刺されることで感染します。そのため「蚊を発生させない対策」「蚊に刺されない対策」を心がけましょう。

蚊を発生させない対策

  • 蚊は、タイヤに溜まった水、鉢植えの皿など、少しの水が溜まる場所で発生します。屋外に雨水等が長時間溜まる物を置かないようにしましょう。
  • 室内の花瓶の水などは、最低週1回は換えましょう。

蚊に刺されない対策

  • 屋外で活動する際には、長袖シャツ、長ズボンの着用、素足やサンダルを避けるなど、肌の露出を少なくしましょう。
  • 虫よけ剤を使用しましょう。虫よけ剤は効果のある時間が限られていますので、長時間、屋外で活動する際には、こまめに使用しましょう。また、用法・用量や使用上の注意を守って正しく使用しましょう。
  • 蚊が室内に入らないように、ドアや窓の開け閉めを減らし、網戸を使用しましょう。
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蚊にご注意!(静岡県)

蚊が媒介する感染症の流行国への渡航について

  • 海外の流行地へ渡航する際には蚊に刺されないよう十分に気を付け、帰国後、発熱などの症状がある場合には、医療機関を受診してください。
  • 妊婦及び妊娠を希望される方はジカウイルス感染症の流行国・地域への渡航及び滞在は可能な限りお控えください。

海外での感染症予防については、厚生労働省検疫所のページをご覧ください。

お問い合わせ

感染症対策課
〒426-0078 静岡県藤枝市南駿河台1-14-1 藤枝市保健センター
電話:054-645-1112
ファックス:054-645-2122​​​​​​​

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更新日:2024年11月15日