県内の感染症情報


RSウイルス感染症が流行入りしました(定点当たり患者数は0.71)
RSウイルス感染症の静岡県における定点医療機関当たり1週間の報告数が、第10週に1.07人となり、1を超えましたので、県は流行期に入ったと判断しました。第16週(4/14~4/20)の定点当たり患者数は0.71人でした。(中部保健所管内では0.45人)
(RSウイルス感染症には、国が定める注意報や警報の基準値はありませんが、静岡県では0.5で「流行が始まる可能性あり」、1以上で「流行期に入っている」と考えています。)
RSウイルス感染症は、飛沫感染(咳、くしゃみの飛び散り)や接触感染(鼻水や痰、だ液等を触る)でうつります。うつってから発症するまでの潜伏期間は約5日、人にうつす感染期間は発症後約1週間です。
症状は、発熱、咳、鼻水、喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅーの呼吸)です。年長児や成人では、軽いかぜ症状ですむ場合も多いですが、乳児早期(特に2か月以下の赤ちゃん)に感染した場合は、急性細気管支炎や肺炎となり、哺乳低下や呼吸困難で入院したり、さらには人工呼吸管理を要したりすることもあります(感染した乳幼児の約30人に1人は入院するという報告もあります)。
RSウイルス感染症専用の有効な治療法はなく、水分補給の点滴や酸素投与などの対症療法のみです。赤ちゃんがいる家庭では、かぜ症状のある方から赤ちゃんにうつさないようにマスク着用や手洗いを励行してください。赤ちゃんが、咳鼻水やぜーぜーで、ミルクの飲む量が減ってきたら、早めに小児科医院を受診しましょう。
※RSウイルス感染症の定点当たり患者数は、県内89の小児科定点医療機関から報告された1週間の患者数を施設数89で割った数値です。

百日咳が流行しています(県内報告数は8人)
第6週(2/3~)以降、1週間に1~2人の百日咳患者が県内で報告されることが多くなっていましたが、第15週(4/7~4/13)に21人と急増し、第16週(4/14~4/20)は8人でした。20人以上となったのは2019年第51週以来です。コンコンという咳が連発してよる眠りにくい場合には、マスク可能な方は着用して、早めに受診しましょう。
年齢分布では5~9歳が最多で27%を占め、続いて10~14歳が23%となっています。百日咳を含むワクチンをまだ打っていない赤ちゃんがいる家庭で、兄弟が咳症状がある場合には赤ちゃんに近づかないようにしてください。赤ちゃんを世話する人が咳をし出した場合他の人に代わってもらうか、交代が難しい場合はマスクをしっかりと着用してください。
なお、生後6か月以下の赤ちゃんが百日咳にかかると呼吸がしにくくなるなど重症になる場合がありますので、生後2か月になった子や当該予防接種が完了していない方は、5種混合ワクチン等の「百日咳ワクチンを含む予防接種」を早めに接種しましょう。
伝染性紅斑が流行しています(定点当たり患者数は1.85)
伝染性紅斑が、第3週(1月13日~19日)の0.51以来、第13週0.93、第14週0.87、第15週1.61、第16週1.85と0.5を超えることが続いています(中部保健所管内では2.18人)。
県は、伝染性紅斑が流行間近と判断しています(伝染性紅斑の国が定める警報の基準値は2ですが、静岡県では0.5で「流行が始まる可能性あり」、1以上で「流行期に入っている」と考えています。)
直近の県内では、伝染性紅斑にかかる人は3~9歳の子どもが主になっています。子どもがかかっても、軽い風邪症状のあと、両頬や腕に淡いピンクの発疹が出ては消えるだけのことがほとんどで心配は要りません。
妊婦さんがかかると赤ちゃんがしんどくなることがありますので、妊婦さんで多数の子どもに接する方は、かからないようにマスク着用が望ましいです。
家族が伝染性紅斑になった場合、妊婦さんは産科医院に相談してください。
マイコプラズマ肺炎の感染者が発生しています(減少傾向)
マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマによる細菌感染症です。感染経路は、主に飛沫感染と接触感染で、家族内や学校など濃厚接触が多い場所で、しばしば集団発生が起こります。潜伏期間は2~3週間程度で、主な症状は発熱、全身倦怠感、頭痛、咳などで、解熱後も咳が長く続くことがあります。必ずしも肺炎にならず、上気道炎や気管支炎も多いです。全年齢層に感染が見られますが、若年齢層に多く、14歳以下が6~8割を占めます。過去の疫学調査研究では、3~7年程度に1回国内で大きな流行が起こっています。
2024年第29週(7/15~7/21)以降、定点当たり患者数※0.5以上が続き、2025年第15週(4/7~4/13)は0.4となりました。国は基準値を定めていませんが、県感染症情報センターでは、0.5以上が継続した場合、流行が始まる可能性あり、1以上では確実に流行していると考えています。
今年2025年に入ってからは、第3週(1月13日~19日)に1.5まで上昇しましたが、、その後は0~0.7(平均0.24)で推移しています。
マイコプラズマ肺炎の過去の流行では、1,2年間にわたって患者数が多い期間が続いていますので、市民の皆様には、引き続き、人混みでのマスク着用、咳エチケット、適切な換気と手洗いなど、飛沫・接触感染の対策に御協力をお願いします。
※マイコプラズマ肺炎の定点当たり患者数は、県内10の基幹定点医療機関から報告された1週間の患者数を施設数10で割った数値です。
蚊が媒介する感染症にご注意ください
発熱や意識障害の症状で入院している静岡県西部保健所管内在住の70歳代の女性について、日本脳炎に感染していることが判明しました。日本脳炎は蚊を介してのみ感染することがわかっていますが、当該患者は直近で静岡県外への移動歴が確認されなかったため、県内で蚊に刺されたことにより感染したと推定されます。
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更新日:2025年04月28日