施政方針

令和4年度の予算並びに組織改編の提案にあたり、市政経営に対する私の所信の一端と、その実現に向けた取組の概要を申し上げます。

本市を取りまく状況

まずは何より、新型コロナウイルスでありますが、ようやく収まりを見せてきたかとの思いも束の間、ここにきて予想された第6波が現実のものとなり、オミクロン株を中心とする感染拡大は日に日に進み、未だ全く予断を許さない状況にあります。

コロナ対応の最前線にいる、医師会を始めとする医療従事者の皆様には、改めまして心から敬意を表して感謝申し上げるとともに、市民の皆様には、今暫く感染対策の徹底にご理解とご協力をお願い申し上げます。

我々行政としましても、市民の皆様の命と健康を徹底して守るために、3回目のワクチン接種等の対策に全力で取り組んでまいります。

暮らし・経済の再興

さて、こうしたウィズ・コロナの中でも、少しずつ社会の動きが戻ってきており、市民の皆様の明るい活動も生まれてきております。

政府は、令和4年度の経済成長率を3.2%と見込んでおりますが、地方経済においては回復の兆しは見えるものの、未だその実感には至りません。

本市におきましては、コロナと共存しながらの社会経済活動の再開により、市税収入全体では4.5%の伸びを見込むものの、コロナショックによる企業活動への長期的ダメージに加え、円安による原材料価格の高騰や半導体不足など不安要素は大きく、未だ事業者の皆様は本当に大変な経営努力の最中にあると認識しております。

また今般のコロナ禍は、今後の少子高齢・人口減少の進展により、少しずつ表れてくると想定されていた社会の歪み、そして日常生活の課題を一気に露呈させました。

これら市民、企業の皆様の暮らし、営みへの対応は待ったなしでありますが、一方でデジタル社会、グリーン社会などへの転換が進む中、新たな発想、そして革新的な技術などを取り入れながら、より安全・安心で豊かな社会を築く大きなチャンスの時でもあります。

まさに、自治体の力の見せ所であります。

本市はこれまでも、地方政府としての自覚と責任のもと、自らが地方創生のモデルとなり、国を変えていくという気概を持って取り組んでまいりました。

今こそ地方の時代。来たる令和4年度は、10年ビジョンとなる第6次総合計画の助走を終え、大きな飛躍に向け、力強く踏み出す時です。

私は年頭に当たり、今年の一文字を「啓(ひらく)」としました。我々行政の最大の使命であり、時代が変わっても普遍的な願いである“幸せ”を、市民誰もが実感できるよう、この一文字に込めた“自ら切りひらく”姿勢を崩さず、果敢に歩みを進めてまいります。

令和4年度の戦略方針

さて、令和4年度ですが、コロナと共存しながら市民の皆様の安全で安心な暮らしを確実に築き、またコロナ後の希望の持てるまちを描き、着実な一歩を進める、極めて重要な年であります。

そこで、新年度の戦略方針として、大きく2つの柱を掲げました。

1つ目は、「市民生活の総合サポート」そして、

2つ目は、「将来への基盤づくり」

この2本柱であります。

1.「市民生活の総合サポート」

まず、1つ目の「市民生活の総合サポート」ですが、少子高齢化の進展は社会構造、社会環境を大きく変化させ、市民の皆様の日々の暮らしや家庭における課題、ニーズは複雑化・多様化しております。

さらに今般のコロナ禍がこれに追い討ちをかけて、市民の皆様は様々な不安、心配を抱えていることと思います。

そこで、市民の相談や支援が増大する福祉政策課、自立支援課を再編し、新たに福祉政策課内に「自立生活サポートセンター」を開設いたします。

生活や就労支援のさらなる強化に加え、複雑化・複合化する福祉課題にワンストップに対応する総合的な相談体制を整えます。

併せて、新たに「障害福祉課」を創設し、就労も含め安心して生活できる社会環境づくりを推進するなど、よりきめ細かな支援を進めてまいります。

また、国が「こども家庭庁」の創設で目指す“子供から若者までの切れ目ない支援”を本市から先導的に進めていくため、子ども家庭課を「子ども・若者支援課」に改編し、こどもデータの一元化などにより、課題や悩みを抱える子供たちが社会の中に埋もれることのないよう、生涯にわたりしっかり守り支えてまいります。

デジタル社会への転換が進む中、本市も行政手続きのオンライン化を幅広く進めてまいりますが、誰もが公平に利便性を享受できるよう、地区交流センターに加え、郵便局や金融機関など多様な連携を進め、身近な場所でのデジタル活用のサポート体制を確立してまいります。

これらに加え、買い物や通院などの日常の足をより充実させるため、地域間を結ぶ新たなデマンドバス、名付けて「ふじえだ足すと号」の運行、さらには、学生の進学や地元での就職支援など、市民の皆様に寄り添い、日々の暮らしを下支えしてまいります。

2.「将来への基盤づくり」

2つ目の、「将来への基盤づくり」につきましては、本市がこれまで先駆的に取り組んできた「コンパクト+ネットワークのまちづくり」や、「ICT」「グリーン」活用などの施策を連動させ、モノの在り方や価値観が大きく変化する分散型社会の中で、自立し、大きく人やモノを呼び込む「次世代型のまちづくり」を進めます。

本市のみならず、地域経済を牽引する中心市街地では、いよいよ駅前地区の2つの市街地再開発事業が事業着手に向け都市計画手続きに移行します。

これに加えて駅北口に整備を進める、首都圏等の革新的企業とのマッチングで市内産業の競争力を高める「ビジネス・イノベーション拠点」の開設、そして駅前駐車場用地を活用した「広域拠点施設」など、民間活力導入により、市の玄関口となる駅北地区のまちづくりを重点的に進めてまいります。

さらに将来に向けて、水上地区の「広域新都市拠点」や、「道の駅」を核とした瀬戸谷・仮宿地区の「観光・交流拠点」、広域交通インフラを活かした大洲・広幡地区の「新産業・交流拠点」づくりを地域の皆様と進めるとともに、先行する「内陸フロンティアパークたかた」では、進出企業の操業を着実に支援してまいります。

都市の活力と持続性に向けては、何より人口の維持・確保が必須であります。

そこで、その基盤となる住宅政策を重点的に進めるため、新たに「住まい戦略課」を創設し、貴重な資源である空き家活用のさらなる強化や宅地開発の政策的誘導、或いは優良田園住宅の南部地区への展開等により、若い世代が安心して定住できる環境づくりを推進します。

4K施策の深化

これらの戦略的取組と並行し、本市の市政の根幹であり、また「藤枝ローカルSDGs」のベースにもなる「4K施策」は、さらに革新しながらも、より市民の皆様の“幸せ”の基盤として充実させてまいります。

<健康>

まず、健康分野では、全国から注目される本市独自の「健康経営実践プログラム」を“健康・予防の要”としてより一層推し進めてまいります。

企業の経営戦略として健康経営の導入が進むよう、特にニーズの高い保健師や栄養士、健康運動指導士などのいわゆる“健康プロ”の企業への派遣などプッシュ型の支援を重点的に進め、行動変容に繋げてまいります。

また、市立総合病院においては、地域住民の“命の砦”となる「救命救急センター」の機能強化を図るため、実証実験を進めてきた「ラピッドレスポンスカー」を専用車両の導入により本格稼働させ、救命率の向上と、早期の社会復帰支援を進めてまいります。

<教育>

教育分野では、藤枝型小中一貫教育のさらなる深化とともに、GIGAスクール構想によるタブレット端末を効果的に活用し、次代を担う人材づくりを進めます。

また、本市ならではの特別支援教育やインクルーシブ教育をさらに充実させるための環境づくりとして、新たに全ての中学校に「登校支援教室」を設置し、生徒に寄り添った支援を進めます。

生涯現役時代と言われ、市民の皆様の学びのニーズも高まり、多様化しております。

そこで、市民の皆様が生き生きと学び、活躍できる環境づくりに向け、新たに「藤枝市民大学」を創設し、地域社会・地域経済を担う人材づくりを進めてまいります。

加えて、新しい生活様式に対応する学びの環境づくりとして、デジタル活用による「電子図書館」も新たに導入し、インターネット貸出サービスをスタートします。

<環境>

環境分野では、グリーン社会への転換が進む中、温室効果ガス排出実質ゼロの「ゼロカーボンシティ」の形成を重点的に進めます。

CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を取引する、いわゆる「J―クレジット制度」を活用し、新たに市内企業と連携した本市独自の「エネルギー地産地消ネットワーク」を確立いたします。

企業の経営戦略としてのグリーン導入を進め、エネルギーの循環を目指すもので、環境政策の推進によって経済発展を実現する、まさに「藤枝版グリーン・ニューディール」であります。

さらに次なる一手として、循環型社会のモデルとなる本市独自の生ごみの資源化によるバイオマス発電プラントの構築を目指すとともに、志太広域事務組合と連携し、クリーンセンター建設を着実に進めてまいります。

<危機管理>

最後に、危機管理分野におきましては、地球温暖化を起因として頻発化し、県内にも甚大な被害をもたらしている台風や集中豪雨への対策をさらに強化します。

国のスマートシティの先駆モデルとして進める「AIを活用した河川水位予測システム」に加え、「河川水位・雨量観測システム」をより拡充し、災害弱者も含めた“逃げ遅れゼロ”を目指してまいります。

また、「交通安全日本一」に向け、事故の多い高齢者や高校生の運転技能の向上、そして命を守るための啓発を重点的に進めるとともに、ゾーン30の拡大により、通学路等の交通安全対策も徹底してまいります。

市政の基盤は、何より市民の皆様、企業の皆様の健全で活発な活動であり、その基盤は、日々の安全・安心な暮らしであります。

引き続き、市民、企業の皆様に寄り添い、日々の暮らしに直結する「4K施策」をより充実させ、真に求められるサービスを提供してまいります。

先を見据えた予算と組織

以上、新年度に向けた戦略的、重点的取組を述べましたが、これらを着実に実行するための基礎となる市政経営も、現在策定中の「第2次新公共経営大綱」に基づき、より盤石かつ未来志向なものとしてまいります。

まず財政運営面では、より一層健全化が進み、臨時財政対策債を除く市債残高は、財政改革の断行を始めた平成20年度から417億円の削減見込みが立ちました。

また、投資財源となる基金につきましても、コロナ対策として財政調整基金を活用しながらも、事業毎の積み立てが確実に進み、将来に向け力強く踏み出すことができる強固な財政基盤となっております。

令和4年度当初予算におきましては、コロナと共存しながらの経済活動の再開により、市税収入は増加を見込むものの、引き続きコロナ対策等により厳しい財政運営が予想されます。

しかしながら、希望あふれる将来を描き、その実現に向け前進するため、特定財源の確保などにより、積極的な予算編成を行いました。

執行に当たりましては、社会状況に機敏に対応しながら、常に一歩先を見て、最大の成果を挙げるよう職員一丸となって取り組んでまいります。

また、これと連動する組織運営におきましても、コロナ対策を確実に進めながらも、第6次総合計画を着実に実行するため、先に述べましたように戦略的かつ機動的な組織体制へと転換するとともに、これを支える職員の人材育成とマネジメント力の強化をより一層進めます。

特に、市民サービスの提供と市民の皆様の交流の拠点となる市役所本庁舎につきましては、将来に向けた行政のスリム化やデジタル化、また職員の時代に即した柔軟な働き方にも対応する、魅力と先進性あふれる「次世代型新庁舎」の構想づくりに着手いたします。

「幸せになるまち」づくり

改めまして令和4年度は、新型コロナウイルスにより一変した社会環境の中で、将来に向けた基盤を着実に整え、大きな飛躍に向け力強く踏み出す、極めて重要な年になります。

議員の皆様、市民の皆様の力を結集して築き上げた好循環、そして豊かな暮らしを確実に将来に繋げるため、まずは何より市民の皆様、そして我々が「健康」で、「安心」して暮らすことができ、これからに「希望」が持てる、「健康」「安全」「希望」のまちづくりを、皆様とともに進めてまいります。

そのため、目下のコロナ対策を徹底し、大きく変革する社会の中でも「選ばれるまち」であり続けるよう、私の持てる力を全て傾注し、職員とともに、市民の皆様が「幸せになるまち」づくりを進めてまいります。

議員の皆様、そして市民の皆様とこの思いを共有させていただき、引き続きご協力、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

以上、市政経営に対する所信の一端の説明とさせていただきます。

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更新日:2022年02月21日