生産名人による朝比奈手摘み本玉露承継塾を実施しました!

令和7年朝比奈手摘み本玉露承継塾

【内容・日程】

第1回朝比奈手摘み本玉露の魅力について(4月5日実施)

第2回被覆作業(4月16日実施)

第3回摘採(手摘み)・荒茶製造(5月11日実施)

第4回剪枝(6月6日実施)

第5回摘心(11月29日実施)

各講座では、実際の生産現場で行われている作業を体験しながら、各工程の意味や品質を左右する細やかな工夫、そして生産者のこだわりを学びました。

実際に手を動かし、自らの目で見て体感することで、単に知識として学ぶだけでは得られない「技術の重み」や「一葉に込められた価値」に触れていただく機会となりました。

【目的】

現在「朝比奈手摘み本玉露」は、生産者の高齢化や後継者不足、摘み子の減少などに伴い、生産量が年々減少しています。手摘みによる玉露づくりは、多くの手間と高度な技術を要するため、その継承が大きな課題となっています。

本市の宝である「朝比奈手摘み本玉露」を後世へ守り伝えるため、本事業では「朝比奈手摘み本玉露」生産名人を講師に迎え、全5回のカリキュラムを実施しました。

体験を通じて、手摘み玉露づくりの奥深さや難しさ、そして誇りを実感し、将来的な担い手の育成や地域農業への関心の醸成を目的とします。

朝比奈手摘み本玉露とは(市ホームページ)

【玉露とは】

茶園全体を菰(コモ)や寒冷紗(かんれいしゃ)で3週間程覆い、日光を遮ることで旨み成分を凝縮させます。また、朝比奈玉露は年に一度だけ、手作業で一枚一枚丁寧に茶葉を摘み取るため、生産量が少なく、貴重で高価なお茶となります。

【美味しい玉露の淹れ方】(例)

旨みの強い朝比奈玉露は、一度沸騰させたお湯を40℃ほどまで冷まし、茶葉3グラムに対して20cc注ぎ約2分待つと、濃厚で贅沢な旨みを感じることができます。2煎目は、50度ほどのお湯にて同様に2分ほど待つと美味しく味わえます。

水出しでも旨みを堪能することができます。フィルターインボトル(750ccタイプ)に茶葉20グラムを入れ、2時間ほど待ち、軽く振ってから飲むと美味しくいただけます。同じ茶葉を使用していても、振る回数によって味は変わってきますので、自分好みの味をぜひ探してみてください。

補足:飲み始めてから茶葉を抜かずに置いておいたり、強く振りすぎると味が濃くなったり、渋み成分がでてきます。一度に飲まない場合には、抽出されたお茶(茶葉は入れない)を別の容器へ移しておくと味が安定します。当日~翌日を目安にお早めに飲み切ることをおすすめします。

講座内容

第1回朝比奈手摘み本玉露の魅力について

「朝比奈手摘み本玉露」とは何かや、手摘みならではの品質の高さ、煎茶と玉露の違いについて理解を深めました。

一般的に煎茶は被覆を行わないこと、かぶせ茶やてん茶(抹茶の原料となる茶葉)は、茶畑に直接寒冷紗をかける「直掛け」によって被覆することなど、それぞれの製法の違いを学びました。特に、被覆の有無や遮光日数の違いが味や香りに大きく影響することを学び、玉露がいかに手間ひまをかけて育てられているかを知る機会となりました。

その後、朝比奈玉露を堪能する飲み方である「つゆ茶」と、急須で丁寧に淹れた玉露の飲み比べを行い、味わいの違いを体感しました。

魅力講座

第2回被覆について

玉露の品質を左右する重要な工程である「被覆」について学びました。

朝比奈手摘み本玉露では、茶畑の上に棚を設置し、その上から寒冷紗や菰をかける「棚被覆」により、間接的に日光を遮ります。

その後、実際に被覆作業を体験しました。寒冷紗の素材による遮光率の違いを手で触って体感しました。日光が入らないよう隙間なく寒冷紗をかける作業は、腕を上げ続ける姿勢での力仕事であり、細かな調整も求められます。

受講生からは、「想像以上に大変な作業だった」といった声が聞かれ、生産者の労力や技術への理解を深める機会となりました。

被覆講座被覆講座2

第3回手摘み・荒茶製造について

玉露の品質を決定づける「手摘み」と「荒茶製造」について学びました。

煎茶では「一芯二葉」と呼ばれる摘み方が一般的ですが、玉露では「こき摘み」と呼ばれる特有の方法で摘採を行います。これは、新芽の根元から柔らかい葉をすべて摘み取る方法で、均一で上質な生葉を確保するための重要な技術です。受講生は、摘み方の違いがそのまま品質や味わいに直結することを理解しました。

実際に手摘みを体験すると、芽の状態を見極めながら丁寧に摘み取る難しさや、長時間にわたる集中力の必要性を実感しました。

また、生葉が荒茶へと仕上がるまでの製造工程についても学びました。蒸し、揉み、乾燥といった各工程には、それぞれ温度や時間の見極めといった熟練の技術が求められます。工程ごとの目的やこだわりを学び、製造が細やかな調整の積み重ねであることを理解しました。

摘採荒茶講座摘採荒茶講座摘採2

第4回剪枝について

茶園管理の重要な工程である「剪枝(せんし)」について学びました。

剪枝とは、茶摘みが終わった後の茶樹を短く刈り揃える作業のことです。一見すると枝を切りそろえる単純な作業に見えますが、樹勢を整え、翌年に向けて充実した新芽を育てるための大切な工程です。適切に剪枝を行うことで、新芽が太く揃い、結果として茶の品質向上につながるとされています。

今回は機械を使用し、茶樹を膝ほどの高さまで刈り揃える作業を体験しました。一定の高さを保ちながら均一に刈ることの難しさを実感しました。

剪枝は“収穫後の作業”ではなく、“次の品質を育てるための準備”であることを学ぶ講座となりました。

剪枝講座

第5回摘心について

茶樹の生育を整える重要な管理作業である「摘心(てきしん)」について学びました。

摘心とは、茶枝の伸びた先端部分を剪定する作業のことです。先端を切ることで養分の分散を防ぎ、芽の生育をそろえる効果があるとされています。これにより、収穫量の増加や新芽の大きさのばらつきの抑制につながり、結果として茶の品質向上が期待されます。

今回は、自然仕立ての手摘み玉露園において、剪定鋏を使用し、一本一本丁寧に摘心を行いました。機械による一斉作業とは異なり、枝の状態を見極めながら手作業で切り落とすため、集中力と判断力が求められます。

摘心は次の新芽の揃いを左右する大切な作業です。今回の体験を通じて、玉露づくりが一年を通した丁寧な管理の積み重ねであることを改めて実感する講座となりました。

摘心講座

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更新日:2026年02月25日