耕作放棄地や農地の草刈り作業の負担軽減 ~より効率的な農業経営・農地管理を行うために~

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課題の要点

解決したい課題

生産の現場では、人手不足・高齢化により草刈り作業が農業者の負担になっている。

また、耕作放棄地の増加に伴う雑草繁茂が問題となっており、非農家で農地の管理ができない人が増加している。

想定する実証実験

・急傾斜地等の圃場など、作業効率が悪い地形における草刈りの自動化の有効性を検証する。

・茶畑、果樹園、耕作放棄地等の様々な環境で草刈りの自動化の汎用性を検証する。

実現したい未来

草刈り作業が自動化・省力化されることで、生産の現場では少ない労働力での草刈り作業が可能となり、生産性が向上する。また、耕作放棄地では、作業に不慣れな非農家であっても効率的な草刈り作業が可能となる。

提案企業が得られるもの

提案の有効性・汎用性が高いことが検証されれば、農業者及び農地所有者への製品普及の促進が見込まれる。

ストーリー

農業が抱える課題

社会の高齢化が進行していくなか、農業者の高齢化、労働人口減少に伴う後継者不足が問題となっています。令和2年に実施された農林業センサスによると、藤枝市の基幹的農業従事者数(注1)は59歳以下が142人(10.1%)、60歳以上が1,269人(89.9%)と年齢分布が偏っていることが分かります。

年齢階層別 基幹的農業従事者

注1 基幹的農業従事者:15歳以上の世帯員のうち、ふだん仕事として主に自営農業に
従事している者

また、藤枝市の農業経営体の後継者確保の状況は、後継者ありが221経営体(20.7%)、5年以内に経営を引き継がないが36経営体(3.4%)、後継者なしが811経営体(75.9%)と8割近い経営体が後継者を確保していないことが分かります。

後継者確保別経営体数

のような状況のなか、農業生産を維持していくための手段の1つとしてスマート農業の導入が挙げられます。導入によって省力化、生産性向上を実現することで収益を得やすい体制を築き、より人が集まる産業への転換(農業の成長産業化)を図ることが求められています。

さらに、高齢化、後継者不足が原因となって耕作放棄地が増加しています。相続により非農家が農地を取得する等、農地を管理できない方が増えており、農地を有効活用できないばかりか、雑草の繁茂が周辺住民の住環境に悪影響をもたらしています。

○耕作放棄地の雑草繁茂に関する相談・苦情件数(農業委員会より)

 

H29

H30

R1

R2

R3

件数(件)

28

22

102

64

69

面積(ha)

2.3

2.3

6.1

7.2

8.0

 

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課題解決に向けて

生産の現場では、人手不足・高齢化により草刈り作業が農業者の負担になっています。生産とは直接関係のない草刈りを自動化・省力化できれば、農業者は草刈りに費やしていた時間を生産活動に使うことができるため、本市では「草刈りの自動化」の有効性・汎用性を検証する実証実験を行います。
また、「草刈りの自動化」は、非農家の農地所有者等の草刈り作業に慣れていない人でも作業することが可能になることから、耕作放棄地の雑草繁茂問題を解決し、周辺住民の住環境改善に貢献すると考えています。

有機農業との関係性について

本市では、有機農業の推進に力を入れています。有機農業では除草作業に除草剤を用いることができないため、慣行農業と比べて手間がかかることが課題であり、「草刈りの自動化」はこの課題の解決に貢献する機器と考えています。

想定する解決策

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農業と一言で言っても、平地で生産する農業者もあれば、急傾斜地等の作業効率の悪い地形で生産する農業者もあります。また、圃場も様々であり、茶畑、果樹園、耕作放棄地等、場所によって環境が異なります。
本市としては、どのような地形条件下でも、どのような圃場環境下でも草刈りが自動化され、機能を発揮できる機器を求めています。実証実験において有用であることが確認できた機器については、農業者、農地所有者へ情報提供を行うことを検討していきます。

本市の農業者も「草刈りの自動化」については関心を持っています。事業者の皆様の御提案をお待ちしています。

募集要項

背景

社会の高齢化が進行していくなか、農業者の高齢化、労働人口減少に伴う後継者不足が問題となっている。農業生産を維持していくためには、スマート農業の導入による省力化、生産性向上を実現し「農業の成長産業化」を図ることが求められている。
また、耕作放棄地の増加に伴い、農地の管理ができない所有者が増加しており、雑草の繁茂が周辺住民の住環境に悪影響をもたらしている。

課題

生産の現場では、人手不足・高齢化により草刈り作業が農業者の負担になっている。生産とは直接関係のない草刈りを自動化・省力化したい。
また、耕作放棄地の増加に伴い雑草繁茂が問題となっている。非農家で農地の管理ができない人が増加しているため、慣れない人でも草刈りができるようにしたい。

求める解決策

草刈りは自動草刈り機等の解決手段に任せ、農業者は生産活動に専念する。また、草刈り作業に慣れない農地所有者でも安全・確実に作業が実施できる。

想定する実証実験内容

・急傾斜地等の圃場など、作業効率が悪い地形における草刈りの自動化の有効性を検証する。

・茶畑、果樹園、耕作放棄地等の様々な環境で草刈りの自動化の汎用性を検証する。

実証実験成功後の発展性

人手不足・高齢化は農業における共通課題であるため、全国の農業者・農地所有者への機器導入が促進される。

提案企業に求める 専門性

草刈りの自動化

プロジェクトの進め方・打合せ方法

打合せはオンライン可。実証実験への協力農家を選定し、実際に圃場で検証する時間を多く取りたい。

提供可能な データ・環境等

協力農家の圃場についての情報(場所、面積、地形、作物等)

プログラム終了後の本格導入

有用であることが確認できた解決手段について、農業者、農地所有者へ情報提供を行うことを検討する。

お問い合わせ

情報デジタル推進課
〒426-8722 静岡県藤枝市岡出山1-11-1 藤枝市役所東館4階
電話:054-643-3259
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更新日:2023年08月30日