施政方針

令和3年度の予算並びに組織改編の提案にあたり、市政経営に対する私の所信の一端と、その実現に向けた取組の概要を申し上げます。

本市を取りまく状況

年明け早々の藤枝順心高校の全国制覇・2連覇は、コロナ禍で閉塞感のある中、市民に感動と明るい希望を与えてくれました。制約のある一年の中で思い悩む日々も乗り越え、チーム一丸で闘う姿を見ると、我々も前を向き、前進していく勇気をもらいました。

さて、かつて経験したことのない新型コロナウイルス感染症の猛威は、未だ収まりを見せませんが、まずは何より、医療の最前線で懸命に治療に尽力されている医療従事者の皆様に心から敬意を表すとともに、深く感謝申し上げます。

想像を絶する感染の影響は、我が国のみならず世界全体を取り巻く経済環境にも大きな打撃を与えており、先行きは未だ不透明な状況にあります。

こうした中、国外では、アメリカ合衆国がバイデン新政権の誕生により、パリ協定などの国際的枠組への復帰を果たす協調路線へと転換しました。米中関係も含め世界的な秩序が確立され、経済面にも良い影響があることを期待するものであります。

一方、国内に目を向けますと、新型コロナウイルスにより我々の生活は一変し、ヒトとモノの動きが止まることで個人消費が落ち込み、業界により差はあるものの産業界全体としては大きな停滞の中にあり、まさに国難とも言える状況にあります。

本市におきましても、こうした影響を受け、市税収入全体は3.8%の減少が見込まれ、今後の状況によっては、さらなる悪化を危惧するところでありますが、何より、未だ事業者・生産者の皆様の経営状況は大変厳しく、苦難と不安の中にあると認識しております。

一歩先を走る藤枝市

こうした時こそ、市民、事業者に最も身近な我々地方自治体が、地方政府としての自覚と責任のもと、“できることは全てやる”ことが大事であり、私は何としても、市民の皆様の健康と暮らし、そして仕事と雇用を徹底して守りぬき、とにかく市民誰もが安心していただけるようにしたいと考えております。

さらに、こうした中にあっても、先を見据えて、“新たな日常”の中でも明るく力強い、一歩先を走る藤枝市を築いていかなければなりません。

今回のコロナ禍で、モノの価値観、そして働き方、暮らし方も大きく変わります。

国も「デジタル社会」「グリーン社会」へと大きく舵を切り、また、「分散型社会への転換」として、東京一極集中から地方への大きな動きが始まっています。

これらは、これまで本市が重点的に進め、基礎を固めてきたまちづくりの延長線上にあるものであり、まさに大きなチャンスの時であると考えております。

このような大きな転換期の中で、来たる令和3年度は、市民の皆様とともに策定を進めてきた第6次総合計画がスタートします。

計画では、我々行政の最大の使命であり、時代が変わっても普遍的な願いである“幸せ”、この実現を目標に掲げました。

「地方から国を変える」という強い決意と気概を持ってこのチャンスを本市のものとし、地域全体の創生・発展を本市が牽引するとともに、市民の皆様が、日々の暮らし、営みの中で幸せを実感できる、希望あふれるまちを築いてまいります。

令和3年度の戦略方針

さて、令和3年度ですが、私は、本市の次の10年の“確かな成長軌道”を築く、極めて重要な年であると考えております。

そこで、新年度の戦略方針として、大きく4つの重点項目を掲げました。

1つ目は、「新型コロナウイルスの克服と力強い再興」

2つ目は、「人を呼び込むまちづくり」

3つ目は、「未来への成長の基盤づくり」

4つ目は、「地域を牽引する広域連携」

この4つであります。

重点方針1「新型コロナウイルスの克服と力強い再興」

まず、1つ目の、「新型コロナウイルスの克服と力強い再興」ですが、まずは、来月から動き出すワクチン接種について、市民の皆様が安心して、円滑かつ確実に接種を受けられるよう、周知とともに万全な態勢で対応してまいります。

また、何より地域住民の“命と健康の砦”である市立総合病院における医療提供体制の構築と、これを支える経営の安定化、そして医療従事者の支援とともに、大変なご尽力いただいている志太医師会とのさらなる強固な連携体制を築いてまいります。

そして、飲食店や事業者・生産者の皆様がコロナを乗り越え、さらに成長できるよう、現場へ足を運び、生の声を聞き、デジタル活用なども含めた、必要とされ、真に効果のある支援を進めてまいります。

重点方針2「人を呼び込むまちづくり」

2つ目の、「人を呼び込むまちづくり」につきましては、「分散型社会における拠点都市づくり」を新たな成長戦略として進めてまいります。既に、都内IT企業の本市への進出が相次いでおりますが、これは、これまでの中心市街地の活性化やICTを活用したまちづくりが大きな強みとなっていると考えております。

そこで引き続き、駅前地区の連鎖的な市街地再開発や産学官の活動の拠点化などにより、利便性の高いビジネスや住まいの場、多様な交流の場づくりとともに、首都圏企業のオフィスやテレワーク等の誘導を移住促進と一体的に進めてまいります。

また、新たに「スポーツ文化観光部」を創設し、サッカーや旧東海道の日本遺産、陶芸村構想など、本市特有のスポーツや歴史、芸術等の文化を磨き、発信して、活動人口・交流人口を呼び込む取組にチャレンジしてまいります。

また、若い世代が安心して暮らし、結婚や出産、仕事の希望が叶うよう、健康福祉部内に「子ども未来応援局」を新設し、子供・子育て施策のさらなる充実や、子育てと仕事の両立支援、発達支援や子供の命を守る対策などを一元的に進め、抜本的な人口対策として少子化対策を重点的に推進します。

重点方針3「未来への成長の基盤づくり」

3つ目の、「未来への成長の基盤づくり」につきましては、第6次総合計画に初めて位置付けた土地利用構想を形にするよう始動してまいります。中心市街地と一体の広域都心を形成する「水上地区」や、東名・新東名の広域交通ネットワークにつながる「善左衛門地区」、「上当間・下当間地区」において、地域の皆様の意向を伺いながら、新たな土地利用を戦略的に進め、市内産業の高付加価値化により、大きくヒト・モノの流れを呼び込む都市基盤づくりを進めてまいります。

また、本市が先駆的に進めてきたICTを活かしたまちづくりをさらに飛躍させるため、政府のデジタル化推進の動きとも連動し、「デジタル自治体」「スマート・コンパクトシティ」の構築を、今述べた土地利用とも一体的に進めます。

そのため、新たに「情報デジタル推進課」を新設し、さらに「デジタル統括監」として、民間からのIT専門人材を推進役として受け入れ、一気呵成に市民の皆様の暮らしを豊かにするデジタル戦略を進めてまいります。

重点方針4「地域を牽引する広域連携」

4つ目の、「地域を牽引する広域連携」ですが、人口減少社会の中では、将来、各自治体がフルセットで行政サービスを維持していくことは現実的でなく、周辺自治体との共生、連携をさらに深め、それぞれの特性を活かした役割分担のもと、持続可能な生活圏・経済圏を確立していく必要があると考えます。

そこで、広域交通インフラを活かした一体的な産業拠点づくりや広域住民サービス、また広域治水対策など、様々な分野で3市、5市2町それぞれの枠組において、本市がリーダーシップを発揮し、地域住民本位の連携を強化してまいります。

4K施策のさらなる深化

これらの重点方針に係る取組と並行し、本市がこれまで積み重ねてきた、市民の皆様の暮らしに直結する「4K施策」も、新たなステージへと展開・深化させてまいります。

<健康>

まず、健康分野では、本市独自の「守る健康」「創る健康」を相乗的に発揮する取組として、新たに介護予防、そしてフレイル対策を、生活習慣病などの重症化予防と一体的に実施する取組に着手するとともに、新型コロナウイルスも含めた市民の皆様の健康不安の解消に向けて、“新たな生活様式”に対応する、24時間365日対応の「オンライン健康相談」を本格導入します。

また、市立総合病院においては、圏域随一の「がん医療拠点」としての機能の充実を図り、さらに高度ながん医療を提供するため、新たに「臨床研究センター」を新設し、県立静岡がんセンターとも連携しながら、予防・診断・治療方法の改善や原因解明に向けた、治験・臨床研究を強化してまいります。

<教育>

教育分野では、「ふじえだ型小中一貫教育」を新たに藤枝、青島地区で実施し、いよいよ市内全地域での展開が実現します。本市独自の小中一貫カリキュラムに基づき、コミュニティスクールの導入と併せて進めることで、一貫教育の意義を確実に発揮させ、地域総ぐるみで子供の健やかな育ちを支えてまいります。

また、本市が先駆的に進めてきたICTを活用した教育についても、GIGAスクール構想を上手く本市のものとして、さらに効果的に前進させるとともに、学校生活を支援する人材もしっかり確保し、児童・生徒のサポート、そして教員の不安解消にも対応してまいります。

<環境>

環境分野では、環境行動先進都市として、一早く「官民協働廃プラ・食品ロス対策会議」を立ち上げ、市民・事業者そして行政が協働して環境問題に取り組んできましたが、新たな基軸として、本日ここに温室効果ガス排出実質ゼロの「ゼロカーボンシティ」の宣言を行います。

今後、政府のグリーン政策と歩調を合わせ、再生可能エネルギーや省エネルギー設備の導入支援とともに、プラスチック排出抑制計画の策定と、県内初の条例の制定を議員の皆様のご理解と協働のもとに進め、本市から率先して行動を起こしてまいります。

併せて、循環型社会の拠点ともなるクリーンセンターの整備を、志太広域事務組合とともに着実に進めてまいります。

<危機管理>

最後に、危機管理分野におきましては、昨今頻発し激甚化する台風やゲリラ豪雨への対策として、国のスマートシティの先駆モデルとして進める、AIを活用した河川水位予測システムの構築を本格的に進めるとともに、災害時に市民の皆様が的確な避難行動をとり、誰一人取り残されることのないよう、「水害危険地域避難対象者抽出システム」の構築による対象者の把握と、あらゆる媒体で災害情報をプッシュ型で一斉に知らせる「防災緊急情報配信システム」の導入により、市民の皆様の命と財産を徹底して守り、安全・安心で強靭なまちを築いてまいります。

また、「交通安全日本一」に向け、高齢ドライバーへの急発進抑制装置導入支援や、事故の多い70か所の交差点に冬場でも曇らないカーブミラーを新たに設置するとともに、ゾーン30やキッズゾーンの設置による事故防止対策など、通園・通学路等の交通安全対策も徹底してまいります。

このような取組を、本市から先駆的に進めることにより、市民の皆様の真に豊かな暮らしの実現とともに、国際社会の一員として、第6次総合計画のゴールと時を同じくする、世界全体の目標であるSDGsの達成にも積極的に貢献してまいります。

先を見据えた予算と組織

以上、新年度の戦略方針として、大きく4つの重点項目を述べましたが、これらの基盤となる市政経営におきましては、財政運営面では健全化がより一層進み、臨時財政対策債を除く市債残高は、財政改革の断行を始めた平成20年度から約400億円の削減見込みが立ち、また、投資財源となる基金につきましても、事業の目的毎に確実に積み立て、次の10年の大きな飛躍に向けて、一段と足腰の強い財政基盤が構築できたと考えております。

令和3年度当初予算におきましても、新型コロナウイルスの影響により市税収入の減少が見込まれる大変厳しい中ですが、実質の地方交付税である臨時財政対策債の発行に加え、職員の創意工夫による特定財源の確保と、財政調整基金の活用により、「今すべきこと」だけでなく、「将来への確実な投資」となる積極的な予算編成を行いました。引き続き、常に先を見ながら適正に執行し、最大の成果を挙げるよう努力してまいります。

また、これと連動する組織運営におきましても、第6次総合計画や第2期創生総合戦略の重点戦略、さらにはウィズコロナ・アフターコロナ対策を着実に推進する戦略的かつ機動的な組織体制へと大胆に転換するとともに、人員の拡充と人財の育成を進め、“選択と集中”による実効性のある職員配置も進めます。

「幸せになるまち」づくり

改めまして令和3年度は、本市の次の10年のスタートとして確かな一歩を記す、極めて重要な年になります。

これまでに議員の皆様、市民の皆様とともに生み出してきた人や民間投資の好循環、そして豊かで温かみのある暮らしを確実に将来に繋げ、夢と希望あふれるまちを築いてまいります。

また、東京オリンピック・パラリンピックがいよいよ開催されます。人類が新型コロナウイルスを克服した象徴とも言える、歴史に残るこの“スポーツ・文化の祭典”を、市民の皆様と盛り上げ、感動し、そしてレガシーとして後世に残していきたいと思います。

そのため、目下の新型コロナウイルスを一日も早く収束させるよう本市から率先して行動し、大きく変革する社会の中でも「選ばれるまち」であり続けるよう、私の持てる力を全て傾注し、職員とともに、市民の皆様が「幸せになるまち」づくりを進めてまいります。

議員の皆様、そして市民の皆様とこの思いを共有させていただき、引き続きご協力、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

以上、市政経営に対する所信の一端の説明とさせていただきます。

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更新日:2021年02月15日