施政方針

国内外を取りまく状況

平成30年度の予算並びに組織改編の提案にあたり、市政経営に対する私の所信の一端と、その実現に向けた取組の概要を申し上げます。

さて、昨今の国内外の社会経済動向を見ますと、まず、国外は波乱に満ちた状況が続いており、今日の世界は、一年前とは大きく変化いたしました。

世界経済は拡大基調を維持し、輸出関連産業を中心に、我が国経済にも大きなプラスをもたらしているものの、北朝鮮などの政治姿勢は、戦後の国際秩序を根底から揺さぶるものであり、世界経済、そして、我々の暮らしにとっても、最大のリスク要因となっております。

国内に目を向けますと、昨年の衆議院選挙の結果により、一連の経済政策、いわゆる「アベノミクス」が継続され、28年ぶりとなる実質GDPの連続的な成長や、消費者物価の右肩上がりでの上昇、また、有効求人倍率も1.59倍を記録するなど、堅調な国外経済と内需の拡大に支えられ、企業収益も高まっており、平成30年度においても緩やかに回復を続け、1.2%を上回る経済成長を続けるものと予測されております。

一方で、本市を取り巻く状況に目を向けますと、市税収入全体では増加傾向にあり、企業収益の改善から法人所得は7%増になるものと見込まれますが、個人所得の伸びは見られず、また、有効求人倍率も国や県全体と比較すれば低い水準にとどまっており、実感的には数字ほどの景況感は乏しく、地方までは経済効果が十分に浸透していないものと考えております。

我が国が直面する最大の課題は、かつて人類が経験したことのないスピードで進む人口減少、縮小社会への対応であります。
特に、少子高齢化と、これによる生産年齢人口の大幅な減少は、社会保障費の増大と相対して、稼ぐ力の低下を招きかねない状況にあり、我々地方自治体の活力としての「体力(体の力)」、将来に向けての持続性としての「耐力(耐える力)」を奪いつつあります。

このように、世界全体、そして、我が国が大きな転換期を迎え、我々自治体経営も大きな分岐点に立っておりますが、見通せない先を多くの自治体と探りながら、並んで歩いていたのでは、真の自立は果たせません。
将来に向けて力強く持続し、ヒト、モノを継続的に呼び込む、輝く自治体を築き上げていくためには、独自の強みを高め、他市に先駆けて道を進み、存在感を高めていく必要があります。

安倍政権が、政策の大きな柱として「生産性革命」の旗を掲げておりますが、我が国は、主要7カ国(G7)の中で最も低い労働生産性となっております。我が国経済の安定性を高め、しごと・雇用の創出により、真の地方創生を実現するためには、私は、中小企業の生産性革命こそが、最優先であると考えております。

今現在、IoT、AIなどの技術革新が加速度的に進み、地方経済にとっても従来の延長線上にない変革の波が押し寄せておりますが、本市は、全国に先駆けてICTの活用を進めてきたことから、こうしたことも、将来に向け、本市の大きな強みになるものと考えております。

さて、今年は、「平成」という一時代を締め括る、極めて意義深い一年であります。改めて振り返りますと、随分色々なことが変わり、30年という時の重みを感じる今日この頃であります。空前のバブル経済真っ只中から始まった「平成」という時代は、その後の急速な経済低迷や平成の大合併、そして、二度の大震災など、物事の価値観を大きく変え、我々自治体経営にも大きな影響や教訓をもたらしました。

本市が目指すべき姿

こうした激動期の中にあっても、私たち藤枝市は着実に発展し、人口も増え、特にこの10年、中心市街地活性化をはじめ、先導的に取り組んできた施策が、まさに「花」開き、積極的な民間投資が生まれ、さらに多くの人々が移り住むなどの好循環の中にあり、「選ばれるまち藤枝」が実現してきたものと考えております。

この大きな節目となる年にあたり、改めまして私は、市民の安全・安心で幸せな暮らしをしっかりと守ること、そして、都市力を一段と高め、このまちが、来たる新たな時代にも活力と希望にあふれ、「選ばれ続けるまち」であるよう、大きな責務を胸に、「さらなる“前進”と、新たな“礎を築く”年」にする、そういう強い決意を抱きました。

これまでの弛まぬ努力により花開いた施策が、さらに“前進”し、「実」を結ぶよう、また、将来においても、この藤枝が、しっかりと花を咲かせ、実が生るよう、その土壌づくりとして、全ての施策分野で新たな“礎を築く”取組を、確実に、そして誠実に、実行してまいります。

人口減少社会を切り拓く、本市の「戦略指針」である「ふじえだ健康都市創生総合戦略」も、平成30年度は、いよいよ総仕上げに向かう段階となります。

平成27年度以降、我々は、「ICTを活かしたまちづくり」や「大学キャンパスを核としたまちづくり」など、常に先進的な施策を企て、この戦略を進化させてまいりました。

新年度におきましても、日進月歩の早さで進む変化への対応、そして、新たな価値の創造に向け、歩みを加速し、10年、20年先を見据えた施策をさらに前進させるとともに、新たなチャレンジを続けてまいります。

施策の推進するための3つの重点方針

平成30年度の重点方針は、大きく3つあります。1つ目は、「“人口対策”の抜本的かつ総合的取組」2つ目は、「まち、都市としての“魅力・ブランド力”の向上」3つ目は、「“4K重点施策”の再構築」この3つであります。

 

重点方針1「“人口対策”の抜本的かつ総合的取組」

まず、1つ目の、「“人口対策”の抜本的かつ総合的取組」ですが、全ての政策分野において、“人口対策”に収斂する施策を“選択と集中”により展開してまいります。

そして、未来に向けた“礎を築く”大きなアクションとして、「戦略的な土地利用」を進めてまいります。スマートインターチェンジ開設でポテンシャルが高まる善左衛門地区や、中心市街地に連坦する水上地区などを新たに重点地区と位置付け、定住や商業、産業等の集積を加速させるための計画づくりに着手いたします。

また、しごと・雇用を創出し、人の流れを生み出す拠点といたしまして、内陸フロンティア高田地区の工業団地の整備も確実に進めてまいります。

加えて、子育て世代の住宅支援につきまして、新たに市内居住者への新築助成を行い、移住の促進と併せて、人口の定着も重点化いたします。

重点方針2「まち、都市としての“魅力・ブランド力”の向上」

2つ目の、「まち、都市としての“魅力・ブランド力”の向上」につきましては、地域の皆さんとともに進めてまいりました駅前一丁目8街区の再開発がいよいよ形となり、この度、中心市街地の新たな拠点が完成いたしました。

この歩みを止めることなく、全国で一握りの自治体しか辿り着けない、第3期中心市街地活性化基本計画に移行し、特に、本市の玄関口となる駅前地区におきまして、8街区に続く再開発を強力に推進し、中心市街地のさらなる魅力と広域求心力の向上を図ってまいります。

また、本市ならではの“宝”を磨き、新たな“価値”を付加して発展させ、後世に繋げていくことも重要であります。

本市のシンボルである蓮華寺池公園は今、国が進める、「都市公園の空間活用による賑わい創出」のモデルにもなり、全国から注目されております。
この魅力と価値をさらに高めるため、再整備事業を引き続き推進するとともに、岡出山公園や旧東海道筋の歴史文化資源などとも連動させ、大きく人を呼び込む一つのマーケットとして、エリアマネジメントを強化してまいります。

一方、“宝”に磨きをかけ、力を宿すのは、何よりも“人”であります。そこで、本市が守り、次代に繋げていかなければならない、豊かな中山間地域や伝統ある朝比奈玉露などにつきまして、新たな「地域おこし協力隊」を採用し、外からの視点で新たに気付く魅力も取り入れ、地域ブランドを高めてまいります。

重点方針3「“4K重点施策”の再構築」

3つ目の、「“4K重点施策”の再構築」ですが、本市ではこの10年、市民の日々の暮らしに直結する、「健康」「教育」「環境」「危機管理」につきまして、一歩先を進んだ施策で安全・安心なまちを築き、そのことが、今日の「選ばれるまち」として、継続的な転入超過の最大の要因になっているものと確信しております。

しかしながら、これをさらに持続させていくためには、現状に甘んじることなく、常に改革意識を持ち、さらに前進・発展させ、新たなサービスを提供し続けなければなりません。

そこで、特に市民の“命”に直接関わる「危機管理」、「健康」につきまして、対策の強化、施策の革新に向け、「危機管理センター」及び「健やか推進局」を再編・強化いたします。

「危機管理センター」につきましては、大規模災害に備えた対策強化と、地域における防災体制の強化など、使命を明確にした体制に再編し、機動力をさらに高めるとともに、災害から市民の命と財産を守り、地域経済活動の安定的な継続を確保するため、リスクシナリオに対応した「国土強靭化地域計画」を策定し、災害への対応力を強化してまいります。

次に、「健やか推進局」につきましては、より前進した健康・予防施策を展開し、市民の健康長寿を守るため、「健康企画課」「健康推進課」の2課に特化・再編するとともに、国保年金課は健康福祉部の直轄とし、広域化への着実な移行を進めてまいります。

また、「教育」の分野では、先日、川勝知事が本市の「ICT教育」と「プログラミング教育」を視察され、「藤枝市の先駆的な取組みを県全体のICT教育のモデルにしたい」と絶賛していただきました。
94%の児童が「授業がわかる、楽しい」と、大きな成果が生まれてきていることから、新年度におきましては、ふるさと納税による「未来を創るふるさと応援基金」を活用し、一気に全小中学校でデジタル教科書などのICT環境を整え、本市独自の一歩進んだ教育で、その名の如く未来を創る人材育成を進めてまいります。

加えて、こちらも本市の強みであります「英語教育」をより前進させるため、ALTの増員を図り、学校教育の充実を図ってまいります。

さらに、「環境」の分野では、将来への基盤となりますクリーンセンターの整備を引き続き推進するとともに、新たに学校など46の公共施設を対象に、再生可能エネルギー設備の導入に向けた可能性調査を実施し、地域エネルギービジョンを前進させてまいります。

併せて、政府が進める「クールチョイス」と連動し、企業や市民の環境行動の促進や、環境人材の育成を重点的に進めてまいります。

 

地方創生の柱 「“稼ぐ力”の向上、雇用の創出に向けた取組」

これらの重点方針に係る取組に加え、地方創生の柱として、先ほど触れました、中小企業など地域産業の生産性向上による、“稼ぐ力”の向上、雇用の創出に向けた取組も、さらに発展させてまいります。

 昨年末、本市の西光エンジニアリング株式会社が、政府から「地域未来牽引企業」に選ばれました。大変誇らしい出来事であります。

私は、このように全国で、世界で輝き、地域をリードする企業をさらに増やしていくため、昨年、その拠点として、産学官連携推進センターを開設し、ここにエコノミック・ガーデニング支援センター「エフドア」や、藤枝ICTコンソーシアムなどの機能を集約し、大学と共にワンストップで産業と人材を育てる環境を整えました。

来月、新たに静岡県立大学と包括連携協定を結ぶ予定でありますが、新年度におきましては、この県立大学も加えた5つの大学を機能的にネットワークさせ、ICT、IoT、AIなどの効果的な活用による中小企業の競争力向上を、産学官で力強く推進してまいります。

「選ばれ続けるまち・藤枝」を目指して

市政経営におきましては、財政運営面では健全化がより一層進み、市債残高は、私が就任した平成20年度から約300億円の削減見込みが立ち、臨時財政対策債を除けば、500億円を切るまでに至りました。

また、投資財源となる基金につきましては、内陸フロンティア事業基金など、事業目的に合わせた3つの基金を新たに造成するなど、将来への新たな飛躍に向け、一段と強力な足腰になったものと考えております。

平成30年度の当初予算におきましても、増大する社会保障費への対応が必要ですが、より戦略的に、“未来への投資”となる予算編成を行いました。

引き続き、常に先を見ながら適正な予算執行を行い、最大の成果を上げるよう努力してまいります。

また、組織運営におきましても、多様で柔軟な働き方の実現に向けた、抜本的な「働き方改革」、そして、志が高く、多方面で活躍する人材を生み出す「人づくり改革」と、2つの改革を柱に新公共経営のさらなる深化を図り、より生産性が高く、より質の高い行政サービスを提供する組織へと転換してまいります。

改めまして、平成30年度は、歴史的にも、そして本市の将来に向けましても、大きな節目となる、極めて重要な年になります。

議員の皆様、多くの市民の皆様とともに築き上げました豊かなまち、そして良い循環を、将来に確実に繋げていくとともに、さらに、「しずおか中部5市2町」や「志太3市」などの広域におきましても、本市が、地域全体を牽引する気概を持って主体的に行動し、全国の中でも存在感を放ち、大きな人の流れを生み出す力強い地域づくりを進めてまいります。

来るべき新しい時代も輝き、「選ばれ続けるまち・藤枝」となりますよう、私の持てる力を全て傾注し、市政経営を進めてまいります。

議員の皆様、そして市民の皆様とこの思いを共有させていただき、引き続きご協力、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

以上、市政経営に対する所信の一端とさせていただきます。

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更新日:2018年02月20日