2016年の展示会

更新日:2018年10月08日

博物館特別展「風林火山!駿河を駆けた武田軍団展」

駿河を駆けた武田軍団展

甲斐・信濃の戦国大名・武田信玄は、今川義元亡き後に駿河今川氏が衰退すると、永禄11年(1568)12月、駿河への侵攻を電撃的に開始します。今川家臣の抵抗と小田原北条氏の反撃に遭って苦戦を強いられながらも、永禄13年(1570)正月には山西と呼ばれた西駿河(現在の志太地域)へ軍を進め、花沢城(焼津市)・徳一色城(藤枝市)を攻略し、翌元亀2年(1571)正月に駿河一国を平定しました。

以後、天正10年(1582)3月の武田氏滅亡までの約13年間。武田氏は信玄・勝頼の二代にわたって、駿河国一国と遠江国のおよそ半分を領有・支配しました。

この期間、元亀3年(1572)10月には、武田信玄が2万5千といわれる大軍を率いて遠江へ侵攻し、三方ヶ原の戦いで徳川軍を完膚なきまでに打ち破りました。

しかし、信玄の後を継いだ勝頼が天正3年(1575)5月、長篠・設楽ヶ原の戦いで敗れると守勢に転じ、遠江・駿河の武田方城郭は徳川家康の攻勢にさらされます。そして天正10年(1582)3月、織田信長の甲州攻めにより、鎌倉期からの名族・武田氏はあえなく滅亡となりました。

本展では、駿河国と遠江半国を領有し、合戦に明け暮れた武田軍団の足跡を、貴重な資料・古文書・武具、ゆかりの伝世品によってたどり、武田氏の駿河支配の実態や、徳川家康との激しい攻防について紹介します。また、武田氏に従った今川旧臣の駿河先方衆(朝比奈信置ほか)や、駿河で新たに編成された武田水軍(土屋貞綱ほか)にもスポットを当てて資料紹介します。

とき

11月21日(土曜日)~12月18日(日曜日)

藤枝市郷土博物館第33回特別展「ゲゲゲの鬼太郎トリックアートの館」

特別展「ゲゲゲの鬼太郎トリックアートの館」

昨年末に亡くなった稀代の妖怪絵師・水木しげるさん(1922-2015)の代名詞であった不滅の妖怪アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」が、トリックアートの展示になりました。本展では「妖怪四十七士 日本縦断の旅」と題して、各地方のご当地妖怪たちとの出会いや戦いのシーンをくり広げながら、22のトリックアートを体験することができます。

さらわれた猫娘を取り戻すため、鬼太郎と一緒に日本を北から南へ縦断する旅に出かけてみよう。途中で待ちかまえる妖怪たちが妖術を使って、さまざまなトリックを仕掛けてきます。

本展では、トリックアートの不思議な絵画と「ゲゲゲの鬼太郎」の妖怪たちとの記念撮影をダブルでお楽しみいただけます。東京・九州・台湾など各地で開催し、人気沸騰の妖怪トリックアート展が東海地方初上陸です。ぜひご家族・ご友人でご来場いただき、おもしろい写真をたくさん撮って、楽しい思い出をつくってみましょう。

(画像:©水木プロ、東映アニメーション ©株式会社エス・デー)

とき

9月17日(土曜日)~11月3日(木曜日・祝日)

藤枝市郷土博物館第32回特別展「美しきミニチュア、憧れのドールハウス展」

ミニチュアドールハウス展
ドールハウスとは、ミニチュアサイズに縮小した建物や部屋に情景を作り込んだものです。その起源はヨーロッパにあり、16世紀にドイツの公爵が娘のために作らせたのが始まりとされています。その後もドイツ・イギリスなどで貴族のための高価な工芸品として作られました。19世紀中頃から、イギリスでは中流階級の女の子の玩具として広まり、ドイツではドールハウスを使って家事やテーブルマナーなどを学ばせる教育玩具として使われました。 本展では、日本を代表するドールハウス作家たちがこだわって作った、西洋と日本のドールハウスが一堂に展示します。西洋の作品では、パリのお店やアパルトマン、リビング・ガーデニングなどを精巧に作り込み、優雅でおしゃれな暮らしぶりを再現しています。日本の作品では、人・風・光の通り道を考えた日本独特の町屋建築や、合掌造り・茅葺き・藁葺きなど、各地方の古民家をドールハウスで再現しています。内部に作り込まれた障子・襖・格子戸・畳などの調度品や小物が、和の心や季節感を感じさせてくれます。また、銭湯・パチンコ屋など、昭和のなつかしい情景を表現したドールハウスも展示します。 暮らしの息づかいまで感じられる精巧なドールハウスを見比べながら、西洋と日本の住まい・暮らし・文化をイメージしてお楽しみください。優雅な暮らしへの夢とあこがれ、伝統的な暮らしへの郷愁がいっぱい詰まったドールハウスに囲まれて、心ときめくひとときをお過ごしいただければ幸いです

とき

7月16日(土曜日)~9月11日(日曜日)

文学館第43回企画展「作家医師をとりまく世界~藤枝静男「一家団欒」から50年~」

作家医師をとりまく世界~藤枝静男「一家団欒」から50年~

孤高の作家医師として知られる藤枝静男は、特異な世界を構築した私小説を多数発表しました。主人公が現実を冷静かつ客観的に見つめる作品がある一方で、現実では起こりえないような作品も多数生み出しています。本名・勝見次郎として生きた様々な体験が、作家・藤枝静男というフィルターを通して作品として出力され、それらは今なお読者に強烈な印象を与えています。

本展では、代表作のひとつである「一家団欒」が発表されてから今年で50年を迎えることを記念し、藤枝静男の作品世界に強く影響を与えた家族や文学者、医学、またそれらを素地とした作品を紹介します。ゆかりの資料をご覧いただくことにより、藤枝静男の創り出した作品風景とその背景をお楽しみいただければ幸いです。

とき

5月14日(土曜日)~7月10日(日曜日)

博物館企画展「ふるさと木彫り民芸展」

茶の木人形
信州上田の芸術家・山本鼎(1882-1946)が大正8年(1919)より提唱し、昭和戦前にかけて全国に広まった農民美術運動の影響で作られてきた、全国各地の郷土色豊かな農民美術人形(木片人形)にスポットを当てて、ぬくもりある小さな木彫り民芸の世界を紹介します。 山本鼎は農閑期の副業として趣味と実用を兼ねた産業(土産品)の成立を目指して、1923年、上田に日本農民美術研究所を設立し、全国各地で地方講習会を開きました。この結果、農民の手によって作られ、地方の人物・習俗をデザインした素朴な民芸品が各地で生み出され、長野県上田・伊那地方、秋田大湯、京都宇治、伊豆大島などに根付きました。なかには伊豆大島に自生する椿の木を素材としたあんこ人形のように、昭和の観光ブームに乗ってその地方を代表する観光土産品となったものもあります。 これとは別に、宇治茶の産地である京都宇治では、江戸時代から茶の木を素材にして彫刻・彩色した茶の木人形が宇治の工芸品として知られていました。茶摘み娘の装束を木彫り人形に仕立てたもので、延命長寿・招福の縁起物ともされました。茶の木人形は、明治時代以後、廃絶と復活をくりかえし、昭和初めには農民美術運動の講習会が開かれて新たな作者も育成され、現在まで製作されています。 本展では、全国の農民美術人形、宇治・茶の木人形、伊豆大島あんこ人形にスポットを当てて、その他、各地の木彫り民芸品(郷土玩具)も紹介します。農民美術人形を大きく取り上げる、静岡県内初めての展示会となりますので、この機会に、芸術の一大潮流である農民美術運動が生み出した、素朴で味わい深い木彫人形の世界をぜひお楽しみください。

とき

5月14日(土曜日)~7月10日(日曜日)

文学館第42回企画展「小川国夫、文学青年の出会い」

小川国夫「文学青年の出会い展」

作家・小川国夫は東京大学在学中の昭和28年に「東海のほとり」を『近代文學』に発表し、文壇デビューを飾ります。その後フランスに留学し、滞在中に地中海諸国を単身旅行しました。この経験は、のちの小川文学の素地のひとつとなりました。

昭和31年に帰国した後、小川は東京大学に復学せず創作活動を再開しました。翌年には文学仲間と同人誌『青銅時代』を立ち上げ、また同年私家版『アポロンの島』を刊行するなど、多数の作品を発表します。しかし、その作品群が陽の目を見るには、長い月日を要しました。

本展では小川の青年期(概ね20代~30代)の経験や出会った人物、それらの経験を元にした作品などを御紹介いたします。文学青年であった小川がどのように活動し、また交流活動を築いていったかをご覧ください。

とき

4月8日(金曜日)~5月8日(日曜日)

博物館企画展「昭和のおもちゃとゲーム展」

文学館企画展「杉山惠一の世界」
昭和30年代から50年代にかけて、戦後の復興を乗り越えて高度経済成長期を迎えた日本では、子どもの遊びや娯楽が花開きました。庶民の暮らしぶりにゆとりが出てきた「一億総中流社会」のなかで、庶民が娯楽や観光レジャーを日常的に楽しむようになりました。子どもの世界でも、玩具メーカーから次々とヒット商品が生み出され、世界に冠たるおもちゃの黄金時代を迎えました。 本展では、子どもたちのあそび場であった「駄菓子屋」のグッズ・おもちゃ・ゲーム機や、昭和40~50年代に玩具メーカーから発売された多種多彩な家庭ゲームにスポットをあてて、なつかしい遊びの世界を紹介します。素朴な遊びにわくわくドキドキできた子ども時代や、なつかしい昭和の世相・娯楽を振り返っていただきたいと思います

とき

2016年4月8日(金曜日)~5月8日(日曜日)

 

藤枝市文学館第4回特別展「五味太郎作品展絵本の時間special」

みんながおしえてくれました

日本を代表する絵本作家五味太郎さんの展覧会を開催します。

代表作「きんぎょがにげた」など、子どもには絵本を読む楽しさを、大人には忘れていた子ども心の再発見をもたらしてくれます。

絵本原画をはじめ、国内外で出版された絵本を展示するコーナー、「らくがき絵本」の拡大コーナーなど五味さんの世界を堪能できる展覧会です。

(画像:「みんながおしえてくれました」(c)GOMITARO,1983)

とき

2月11日(木曜日・祝日)~3月27日(日曜日)

藤枝市郷土博物館企画展「おさるさんの郷土玩具展」

浜松張子

申は安産で子ども大変かわいがることから、安産・子育てのシンボルとなりました。

また、群れで行動する習性から集団行動を面白く玩具に仕立てたものがみられます。

いずれもお猿さんのご愛嬌のある仕草・表情や、活発で茶目っ気のある行動をユーモアたっぷりに表現しています。

申年の幕開けに、明治時代から平成にかけて作られてきた、ほほえましい全国各地の猿の郷土玩具(約400点)をお楽しみください。

とき

1月5日(火曜日)~2月7日(日曜日)

藤枝市文学館第41回企画展「お正月を寿ぐデザイン」

文学館企画展「お正月を寿ぐデザイン」

正月は多くの方に「ことほぐ」(言葉で祝福し幸運を祈る、の意)季節でもあります。

その風習が年始の挨拶まわりや年賀状のやりとりです。

本展では、青木幽渓(書家)が描いた美しい小倉百人一首や櫻井琴風(書家)の迫力ある前衛書などから、新年にちなんだ作品や縁起のよい作品を一同に展示します。

併せて、小川国夫(作家)が描いた年賀状なども紹介します。

新たな年を祝い、また幸あらんことを祈るこの季節、藤枝ゆかりの芸術家・文学者たちが表現した「正月」を、ぜひご覧ください。

とき

1月5日(火曜日)~2月7日(日曜日