質に入れた念仏

更新日:2018年10月08日

(イラスト)質に入れた念仏1
(イラスト)質に入れた念仏2

今から800年も前のことです。法然上人の弟子であった熊谷蓮生房(坊)(れんしょうぼう)は、お母さんが病気になったというので、急いで都から関東へ向かいました。ところが、小夜の中山を通りかかったとき、突然山賊に襲われ、持ち物をすべて奪われて無一文になってしまいました。やっとのことで藤枝にたどり着いた蓮生房は、福井長者というお金持ちからお金を借りることにしました。お金を借りるにはその代わりになるものを置いていかなければなりませんが、蓮生房には何もありません。そこで、南無阿弥陀仏という念仏を10回唱えて借金の質としました。
その翌年、蓮生房は約束どおりお金を持って福井長者を訪ねました。お金を返す代わりに、この前預けておいた念仏10回を返してくれというので、長者は南無阿弥陀仏・・・・・・と唱えると、念仏が次々と仏様の姿に変わっていきました。長者は不思議な出来事にびっくりしましたが、9回目を唱えた後、最後の1仏を蓮生房にお願いしてもらい受け、それをご本尊としてお寺を造りました。それが今の蓮生寺(れんしょうじ)だといわれています。

(イラスト)質に入れた念仏3
(イラスト)質に入れた念仏4

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