名物・ほととぎす漬け

更新日:2018年10月08日

(イラスト)名物・ほととぎす漬け

清水橋の近くに一軒のお茶漬け屋がありました。この店で旅の侍がお茶漬けを注文したところ、それは辛いの何の、大の男から大粒の涙がこぼれるほどでした。しかし、侍はこれが妙に気に入って、店の主人にその名を尋ねました。ところが名前はないというので、しばらく侍は考えていましたが、「ほととぎす漬けと名付けるが良かろう」と言いました。主人がそのいわれを尋ねると、


「木枯らしや、木枯らしの森の、ほととぎす、聞くたびごとに、涙そぼるる」


という古い歌があって、お茶漬けのからしとほととぎすとがともに涙を誘うからだと答えました。その評判は街道に広く知れ渡り、藤枝の名物になりました。 

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