「月の沙漠」の詩人 加藤まさを

更新日:2020年01月31日

加藤まさを (抒情画家・詩人) 〈1897-1977〉 

(写真)加藤まさを

童謡「月の沙漠」は、だれでも一度は口ずさんだことがあることでしょう。しかし、この歌の作詩者である加藤まさをが藤枝市の出身だということは、意外にも知られていないようです。
加藤まさを(本名・正男)は、明治30年(1897)4月8日、西益津村田中(現・藤枝市大手)に生まれ、幼少期を祖父母と共に藤枝で過ごしました。西益津尋常高等小学校(現在の西益津小学校)3学年を終了後、父母のもとに上京。幼い頃から好きだった絵や歌が捨てられず、学生時代から詩や童謡、画を発表していました。大正8年には、「加藤まさを」の名で『アンデルセン童話』・『花の精』などの絵はがきが東京神田の上方屋平和堂から次々刊行され、これが大変な人気を呼んで加藤まさをの名は一躍有名になりました。
大正末期から昭和初期にかけて、竹久夢二、高畠華宵(たかばたけかしょう)、蕗谷虹児(ふきやこうじ)らとともに抒情画全盛時代を築いた加藤まさをの抒情詩や抒情画は、『少女倶楽部』・『少年倶楽部』・『少女画報』などの雑誌で発表され、愛読者である当時の少年・少女の胸を躍らせていました。加藤まさをは、昭和52年(1977)11月1日、千葉県御宿町で80年の生涯を閉じましたが、大正12年に発表された「月の沙漠」は、佐々木すぐるによる美しい曲を得て今でも広く愛唱されています。

 

 

(写真)加藤まさをの絵葉書「花のこころ」(文学館蔵)

加藤まさをの絵葉書「花のこころ」(文学館蔵)

加藤まさを「月の沙漠」掛軸(部分)(文学館蔵)

加藤まさを「月の沙漠」掛軸(部分)(文学館蔵)

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