偽り橋のいわれ

更新日:2018年10月08日

(イラスト)偽り橋のいわれ1
(イラスト)偽り橋のいわれ2

昔、若いお公家さんが年老いた母と一緒に藤枝に落ち延び、ひっそりと暮らしていました。お金を使い果たしてしまったお公家さんは、母を残してお金を得るために旅に出ました。しかし、1年たっても、2年たってもお公家さんは帰ってくる気配はありません。待ちわびていた母も、ついには寂しくて死んでしまいました。それから間もなく、お公家さんは大金を稼いで藤枝に帰ってきました。せっかくお金を稼いできたのに、もう母はこの世にはいません。そこで、親不孝のせめてもの償いになればと、稼いだお金で立派な橋を造りました。その夜のこと、虫が橋の柱を食って、「生きてだに、かけて頼まぬ、露の身を、死しての後は、いつわりの橋」という和歌を刻みつけました。これは、生きているうちは孝行しないで、死んでから孝行の真似事をしても、それは偽りの孝行だという意味なのだそうです。

 

(イラスト)偽り橋のいわれ3

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